裁判を傍聴してみた

先月のある日に東京地裁まで裁判を傍聴しにいってみた。

平日しか開廷していないのでなかなかいけなかったけど、9月はちょうど前職の退職前の有給消化中だったものでここしかない機会と思い一念発起。

 

裁判所の建物内には9時から入れるというので張り切って行く。

入り口では空港にやるような持ち物検査があり、それを抜けると「開廷表」というものがあって、どこの部屋で何時からどんな内容が執り行われるのかが記載されている。

いくつかのウェブ記事を参照する限りでは刑事事件がおすすめということだった。そのうち、「新件」、「審理」、「判決」という3種類があるようなので、せっかくなので全部体験してみることにした。

 

「新件」は30分程度で終わった。いわゆる「第1回公判」というもので、冒頭に被告人がどんなことをしたのかが読み上げられ、その後の議論を進めるにあたっての論点整理や必要資料の認識合わせで、「審理」の日程をいつにしましょうという事前打ち合わせのような内容だった。

 

「判決」は判決とその理由が言い渡されるだけの場で10分程度で終了。どんなことをしたのかとなぜその判決にいたったのかだけがわかるので「へ〜」という感じだが、結論しかわからないので、ずっと聞いてきた審理が最終的にどうなるのか気になるという時にいくのが良いと思う。

 

一番見応えがあったのが「審理」。「新件」で片付かなかった場合に継続的に行われるものらしく、その分被告人が何をしたのかの説明は省かれるものの、そこは弁護人、検事とのやりとりの中で理解できた。争点も明確にして主張をしてくれるので、内容に追いつくことは難しくないと感じた。

この日見たのは20代後半の人が被告の「詐欺」の事案で、人格や家庭背景を立証するために母親も出てきて子供の頃の話をされていた。被告人は本当にぱっと見、普通の人なのに、それがどうしてそういった犯罪行為に及んでしまうのかといった過程も知ることができた。

 

おかげさまで犯罪とは無縁の暮らしをこれまで送ってこれているけども、今回裁判を傍聴したことで、聞いていた自分自身の人生としてどういうところに気を付けるべきかや、自分の子供にはどういう暮らしをさせてあげるべきなんだ、とかいくつか考えるきっかけになったので、社会見学のつもりで一度くらいいってみても面白いと思った。

 

ちなみに張り切って9時に行ったが、概ね開廷は10時くらいで、それまであまりに暇すぎていったん出てカフェでお茶をした…。そんなに早くいく意味はあまりないです。